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清冽な水が育くむ山都のそばを食する

Mon mo[モンモ] 季刊2005No.4夏 株式会社エス・シーシー
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[ブランク画像] 2000m級の山が連なる飯豊連峰。夏でも溶けることなく頂く雪とブナの原生林が蓄え生み出す伏流水は、麓の里に豊かな恵みを与えてきた。
酒や味噌、醤油などの醸造、そしてそば。うまさの根源はこの水にある。
●豊富な残雪とブナ林が長い時間をかけ育む水

会津盆地の北西には夏でもその頂きに清澄な白い雪を豊かに残す霊峰・飯豊連峰が鎮座する。標高2105mの飯豊本山を連なる山々は、先祖の霊が人々を見守る山として信仰され、また田畑を潤す水源地として山の神が祭られてきた。
豊富な残雪が育む天上の花畑や湿原、小池、そして広がるブナの原生林。根が多く保湿性が高いため治山に優れているこれらの木々が雨水を蓄える。その雨水が長い年月をかけて地中に流れくだり、麓に豊穣をもたらす清冽な水となる。
古くから「ブナの実一升、金一升」という言葉がある。小さなブナの実を一升拾える広大な原生林は、様々な生き物を育む豊かさを持ち、それは金一升ぶんの価値がある。と教えるものだ。この言葉にこそブナ林がもたらす計り知れない恩恵を見出すことができる。
山裾に広がる会津盆地にはその恩恵を受け、味噌・醤油や酒作りで知られる喜多方市、そばの里で脚光を浴び続ける山都町などが存在する。
●山都の食文化を支えたそばは欠かせない料理

山都町はそばのうまい里として遠くに聞こえるようになったのは、ここ四半世紀のこと。今でこそ数ある主食の一つとして好まれ食されているが、寒さが厳しく米の取れにくい山間部では、もともとそばが日々の糧の中心だったという。
そのため山都では「満足にそばを打てないと嫁にいけない」といわれてきたほど、暮らしに欠かせない食文化のひとつでもあった。
やがて車社会になり、山都町を訪れる人が増えてくると、うまいそばの噂が口コミで広まっていく。そしてここに外部へと門戸を開いた小さな集落があった。清流。宮古川の渓谷沿いに、わずか33戸の家々あ身を寄せ合うようにして並ぶ山あいの里・宮古地区。冬になると2mもの積雪に閉ざされる山都町最奥の集落である。
●山都の食文化を支えたそばは欠かせない料理

山都町はそばのうまい里として遠くに聞こえるようになったのは、ここ四半世紀のこと。今でこそ数ある主食の一つとして好まれ食されているが、寒さが厳しく米の取れにくい山間部では、もともとそばが日々の糧の中心だったという。
そのため山都では「満足にそばを打てないと嫁にいけない」といわれてきたほど、暮らしに欠かせない食文化のひとつでもあった。
やがて車社会になり、山都町を訪れる人が増えてくると、うまいそばの噂が口コミで広まっていく。そしてここに外部へと門戸を開いた小さな集落があった。清流。宮古川の渓谷沿いに、わずか33戸の家々あ身を寄せ合うようにして並ぶ山あいの里・宮古地区。冬になると2mもの積雪に閉ざされる山都町最奥の集落である。

●山あいの小さな集落がその名で通るそばの里に

山都町の中心部から国道459号のくねる狭い道を車で走ること20分。山肌が鋭く差し迫り、あちこちからふんだんな清水が流れ込む宮古川をさかのぼるように進み、いよいよ寂しくなってくる頃合いになってようやくポツポツと民家の屋根が見えてくる。はじめての客ならほっとする瞬間だ。
集落の半分近くが自宅を開放してそばを食べさせてくれるという宮古地区。そば屋として営業していない家でもそばの栽培を請け負っている家もあるので集落ぐるみでもてなしてくれるといってもいいほどだ。席は完全予約制だったり、予約なしで来店できたりと様々。その店もそれぞれのペースで自慢のそばと山から採ってくる山菜やキノコの天ぷら、手作りコンニャクなど素朴な手料理で、はるばる遠くから足を運ぶ客をもてなしてくれる。
●手作り水車が回る店の湧き水でいただく水そば

ご主人手作りの水車をギシギシ回すのは崖から流れ降りてくる清冽な清水。イワナが放たれた池、ワザビが群生する水飲み場もあり、夏場にはこれらの水のきらめきを楽しみながらそばをいただけるよう軒先に席が準備されている。
湧き水のみでいただく「水そば」と塩をかけて食す「塩そば」は、ツユの味に左右されずに、地元産の風味豊かなそば本来の味をじっくり噛みしめることができる。それぞれ微妙に違うそばの味わいを楽しむのも一興だ。
おすすめは写真の「水車セット」。水そばや塩そばなど大振りのお椀に入ったそば4杯に、クセのないぷるぷるの自家製こんにゃく、そばがきの揚げ出しにそば雑炊、そば粉を衣に使った香り高い天ぷらなどのそばづくしだ。基本的に予約なしでもOKだが、囲炉裏端で焼くアマメやイワナなど川魚の塩焼きが加わるメニューは予約が必要になる。家人たちが上の畑に出ている場合もあるので、せっかく足を運ぶなら残念な思いをしないよう、1本電話を入れてから訪れたい。
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